前回書いた友人と行ったトルコ旅行で、地中海沿岸のシリフケという町にも行きました。シリフケは、キプロス島へ行くフェリーが発着します。キプロスに行った私達は、帰りにシリフケの町に立ち寄りました。その日にイスタンブールに戻る夜行バスに乗る予定でしたが、バスの出発時間まで、たっぷりとあったので、ここの見所の城塞跡を見に行くことにしました。城塞跡の様な所はトルコはそこら中にあるので、何となく飽き飽きしていたものの、着いてみると、丘の上にあるその城塞跡はとても見晴らしが良く、海からの風が清々しい場所でした。ちょうど日が傾いてきた時間帯で、ここで夕日を見ようと城壁によじのぼりました。はるか下の方に、家路に向かう羊飼いと子供達がいるのが見えました。私達は手を振り、口笛を吹いてみました。子供達も手を振り返し、ピーッと口笛を返してきました。だんだん太陽が落ちてきて、景色が暖かい色に染まってゆきました。そうして羊飼い達が見えなくなるまで、無邪気に手を振っていました。それだけのことですが、とても楽しく、穏やかで美しい思い出です。

バスターミナルの近くまで戻ってきた頃には、とてもお腹が空いていました。私達は近くの食堂に入りました。気に入りのチキンケバブをたのみました。店では斜め後ろの席におじさんが座っていて、一人で飲んだくれていました。酔っ払って、私たちに何やら言ってきます。意味はまったく分からなかったものの、何か嫌なことを言っている感じがしました。腹が立って店を出ようとしましたが、ケバブの焼ける良いにおい。空腹には勝てず、オヤジは我慢することにしました。城塞でのさわやかな旅気分をすっかり害され、むくれてケバブを食べるはめに。お店の人が何とかオヤジを言いくるめ、出て行き、やっと落ち着いて食事することができました。そんなことはありましたが、ケバブは良い焼け具合で、付け合わせのサラダもたっぷりあって良いお店でした。店の主人が、さっきのお詫びにと、ジュースをサービスしてくれました。赤い色をした澄んだジュース、私達が旅行中好きでよく飲んでいたさくらんぼジュースです。ラッキー、ぐいっと勢いよく飲んだ瞬間、頭の中がパニック状態におちいりました。Kも目を白黒させていました。それは甘く、少し酸味があって疲れのとれる美味しいさくらんぼジュース・・・とは似ても似つかぬ、しょっぱく少し青臭いナゾの液体だったのです。店の主人はこれは目にすごくいいんだ、と自信満々。「ブ・ネ?」(これは何ですか)と聞くと、店の主人は、厨房に行き、瓶詰めをもってきました。中には、例の赤い液体と赤蕪のような野菜が。それは漬け物の汁だったのでした。せっかくの心配りだったけれど、がんばって半分がやっとでした。
その後イスタンブールでも、屋台で漬け物汁を見かけました。メジャーな健康ドリンクのようです。高血圧になりそうだけれど、ビタミンは豊富な気がします。気候には合った飲み物なんですね、きっと。